ガネーシャ@FPのお金をふやそうBlog

節約方法や資産運用などのお金をふやし方について、色々わかりやすく説明します。

リスク資産は何を選べばよいか

今回は、リスク資産は何に投資すればいいかについて、お話しします。

リスク資産は、何に投資すればいいか


以下の図は、米国の著名な大学教授のジェレミー・シーゲル氏の著書に掲載されている、過去約200年にわたる米国の株式や債券などの資産の実質トータルリターンを表すグラフです。

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出典: Siegel, Jeremy, Stocks for the Long run (2014)


これを見る限り、長期でみた場合は、株式は、債券、金または預金と比較してはるかにリターンが高かったといえると思います。

個々の投資において、過去のリターンが将来のリターンを保証することはありませんが、株式全体でみた場合は、他の資産よりは高い期待リターンが見込めるとはいえると思います。

リスクの調整は、リスク資産と非リスク資産の比率の調整によりおこないつつ、

リスク資産への投資は、比較的高い期間リターンの見込める株式に対しておこなうことが、合理的であるといえます。


ただし、運用の目的は、ゲームやギャンブルとは異なり、資産の最大化ではなく、リスクをできる限り軽減しつつ、rの資本収益率の拡大ペースで資産を増やすことですので、株式投資をおこなう中でも、できる限りリスクを抑える必要があります。

そのため、個別株ではなくインデックスファンドへの投資がお勧めです。


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個別株 vs インデックスファンド

インデックスファンドとは、TOPIXやダウ平均株価などの「指数(インデックス)」の動きに、価格が連動するよう設計された投資信託や上場投資信託ETF)です。

株や債券のほか、REIT(上場不動産投資信託)やコモディティ(金や農産物などの商品)の指数に連動するものもあります。

株式全体でみた場合は、他の資産よりは高い期待リターンが見込めることは確認しましたが、個別の株式の銘柄の値動きについては、個々の銘柄の事情により様々な変動要素があり予測困難です。

購入後、価格が下がり続けるかもしれませんし、倒産して株式の価値がゼロとなる可能性もあります。

市場全体の値動きに連動するように設計されたインデックスファンドであれば、市場の全銘柄を買った場合に近いリスクの分散効果が期待できることになります。

(実際には個々のインデックスファンドの価格と指数には、乖離が発生しますのでその乖離が大きくないかは、購入前に確認する必要があります。)


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分散効果とは


分散投資とは、投資先を分散させることによって、リスクを減らす投資手法です。

投資の世界では、「すべてのタマゴを1つのバスケットに入れるな」という格言があります。

資産(タマゴ)を1つの銘柄(バスケット)に全部つぎ込んでしまった場合、その銘柄が値下がりすると資産の損失が大きくなりますが、

資産を多くの銘柄に分散させておけば、そのうちの一部の銘柄が値下がりしても、資産全体への影響は限定的です。


投資先の分散のレベルには以下のようなものがあります。

* 株式、債券、金などの資産クラスをわける分散投資

* 先進国、新興国をわける分散投資

* 日本、アメリカなどの国や欧州、アジアなどの地域をわける分散投資

* ヘルスケア、情報技術、生活必需品などのセクターをわける分散投資

* 個別株の銘柄をわける(複数株に投資)分散投資


近年は世界のグローバル化により、世界の各国の株価は、相関性が高くなってきていますが、「日本の株は下がったが、中国の株が上がった」というようなこともよくあるため、国や地域での分散投資は重要です。

また、同一セクター内のどの銘柄が値上がりするかはわかりませんので、セクター内の幅広い銘柄への投資も必要です。

特定のセクターへの投資に集中することもリスクが高くなる要因となりえます。

こうして考えると、かかる時間やコストを考慮すると、

個別株への投資で十分な分散効果を得ようとすると負担が大きくなるため、インデックスファンドへの投資をお勧めします。



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これらの分散のほかに、時間を分散させることでリスクを下げることができるとよくいわれていますが、その効果については、懐疑的にみています。


その理由については、次回以降お話しします。


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