ガネーシャ@FPのお金をふやそうBlog

節約方法や資産運用などのお金をふやし方について、色々わかりやすく説明します。

趣味ブログ:個別株への投資〜ベクトル

今回も、趣味のブログとして、個別株を取り上げます。

運用としてはインデックスファンドへの投資をお勧めしております。

個別株への投資は、分散効果が十分に働きにくいため、リスクが高いため推奨しません。

前回は、具体的な銘柄としてマネーフォワードを取り上げましたが、今回はベクトル(5058)です。

【投資方針】

1.グロース投資

2.投資対象は売上が安定して見込めるもの。

3.ファンダメンタルの要素を確認し、投資先候補を絞り込み。
(成長を見込めない銘柄は候補に含めない)

4.投資先候補の銘柄をウォッチングし、大きく価格を下げた後の底値付近を狙う。
(ただし、業績の悪化などのファンダメンタルの要素が原因の場合は除く)

5.底値での投資を追求し過ぎずに、株価の上昇トレンドへの変換を確認した後で、投資する。

6.価格のピークでの売却を意識し過ぎず、下降トレンドへの変換の確認後、売却する。

7.決算前に移動平均線から大きく乖離した場合には一旦売却する。



1.グロース投資

(株)ベクトルは、2012年に上場したPR企業で、上場企業でプレスリリース配信サービスで有名な「PR TIMES」を含む約30社の子会社、関連会社を有するグループ企業体です。

上場したのは2012年3月と、比較的最近です。

業績推移を見てみます。

以下のように、売上高も営業利益とも高い水準で順調に業績を伸ばしています。

資料はベクトルより、4月13日に発表があった『2018年2月期 決算説明資料』のものです。

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2.投資対象は売上が安定して見込めるもの。

以下のように、主なサービスのPR事業、ニュースリリース配信事業、ビデオリリース配信事業がそれぞれ順調に売上を伸ばしています。

リピート発注も多いようで、ストック型ビジネスに近い形態が維持できているようです。

従来のPR会社の業務である広報部のサポートに留まらず、広告宣伝部にも営業をかけ、いわゆる戦略PRを武器に広告予算を取りにいって顧客を開拓していったそうです。

広告ではないパブリシティがより重要視され、ネットニュース、ソーシャルメディア、口コミでの拡散が商品・サービスのヒットに欠かせない時流にうまく乗って、業界で確固たる地位を固めつつあるようです。

かつて、ステマ記事問題の黒幕として記事に取り上げられるなど(どうやら、デマではなかったようです)、危なっかしい面もありますが、その騒動後も順調に業績を伸ばしたような、たくましさを備えています。


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3.ファンダメンタルの要素を確認し、投資先候補を絞り込み。

決算短信によると、売上、営業利益は、順調に伸びています。

しかしながら、当期純利益は前期比約13%増加の約14億円に留まりました。

詳細は次回お話ししますが、当期純利益が会社予想より大きく下振れたことを受けて、決算後株価は急落しました。

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では、当期純利益の悪化は何が原因であったかといいますと、以下のように約3億円の投資有価証券評価損を計上したことが、原因のようです。

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ベクトルの発表によると、株式上場を目指すことができるベンチャー企業 に対し投資を行っており、投資ポートフォリオの内 10 件で、約3億円の投資有価証券評価損を計上したとのことです。

非上場企業の投資有価証券評価では、一般的に一株当たりの純資産を基準にした評価を行いますが、事業を拡大するための先行投資などの結果、多額の当期純損失を計上した際に、投資元ではその結果を受け、減損処理を行い、投資有価証券評価損を計上する場合があります。

今回はそのケースだったようです。

ベンチャー企業の場合、その企業が優良か否かにかかわらず、事業が軌道にのるまでは、先行投資などに伴い、赤字が続くこともよくありますので、この損失をどうみるかについては、人によって判断が分かれると思います。

決算発表資料によると、以下のように多くのベンチャー企業に投資していることがわかります。

90社もの未公開企業に投資している状況では、投資が拡大する中では、投資の成否にかかわらず、同様のことがおきる可能性があると感じました。

投資先の企業から上場企業もいくつか生まれていることもあり、それなりに成果は上がっているようですが、ベンチャー企業への投資が株価変動の大きなリスク要因となりそうで、要注意です。


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キャッシュフローをみると、営業キャッシュフローは、順調に28億円まで増加しています。

しかしながら、投資キャッシュフローは46億円とそれ以上に大きいため、財務活動によって20億円を調達し、補っています。

46億円の投資の内訳については、「有価証券の取得」が約23億円、「事業譲受」が6億円、「子会社の株式取得」は約17億円です。

つまり、M&Aに資金をかなり使っていることが、わかります。


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市場でのポジションについてですが、PR会社の格付会社ホルムス・グループが発表した『GLOBAL TOP 250 PR AGENCY RANKING 2018』において、世界第16位、アジア第3位と紹介されたように、日本のPR業界をリードしています。


このように、ベクトルを投資先の候補として検討しました。

本業の業績やビジネスモデルについては問題なさそうですが、ベンチャー企業への投資が株価変動の大きなリスク要因となるため、難しいところです。

反対にこのリスク要因を利用することで利益を得ることも可能かも知れません。

株価はその企業に対する投資家の期待を反映して変動しますので、業績がよくても、事前の期待が高まるすぎた場合に株を高値づかみしてしまうリスクがあります。

したがって、株の購入タイミングが非常に重要になります。
これについては、マネーフォワードの時と同様に以下の方針に沿って、次回お話しします。

4..投資先候補の銘柄をウォッチングし、大きく価格を下げた後の底値付近を狙う。

5..底値での投資を追求し過ぎずに、株価の上昇トレンドへの変換を確認した後で、投資する。

6.価格のピークでの売却を意識し過ぎず、下降トレンドへの変換の確認後、売却する。

7.決算前に値上がりし、移動平均線から大きく乖離した場合には一旦売却する。


なお、再度お話ししますが、運用としてはインデックスファンドへの投資をお勧めしております。

個別株への投資は、分散効果が十分に働きにくいため、リスクが高いため推奨しません。

個別株への投資を趣味として紹介いたします。

もし、皆様が個別株に投資する場合でも、その結果が全体の運用結果に大きな影響がでない範囲に留めるべきです。