ガネーシャ@FPのお金をふやそうBlog

節約方法や資産運用などのお金をふやし方について、色々わかりやすく説明します。

長期投資によりリスクが軽減するか?


今回は、長期投資のリスクについて、お話しします。

長期投資によりリスクは減少する?

長期投資のメリットとして、「投資期間が長いほどリスクが低減する」とよくいわれます。

そして、そのため、長期投資の場合は、大きなリスクを取る運用商品に投資することができるという説明の流れです。

本当にそれは、正しいのでしょうか?

確かに過去の株式市場のデータからみて、50年以上の期間であれば、元本割れはしていないという結果になっています。

しかし、それでリスクが減っているといえるのでしょうか。


長期投資では元本割れの可能性が少なくなるため、リスクが少ないといえるのであれば、資産の価格が大きく下落しても、価格が戻るまで塩漬けしていれば、損失が確定していないためにリスクは少ない
ということと同じことになります。

資産価格の変動については予想が難しく、上昇するリスクも下落するリスクもあります。

投資期間が長くなるほど、リスクにさらされている期間が長くなりますので、資産の価格の変化する幅は拡大し、投資のリスクは拡大します。

そのかわり期待リターンも同じだけ増えます。


よって、投資期間の長さは、リスクに対する期待リターンの大きさに対しては中立です。

つまり、長くても短くても、リスクに対する期待リターンの大きさはかわりません。

リスクの大きさという点では、長期投資はローリスク・ローリターンの投資ではなく、投資期間の長さに応じて、リスクも期待リターンも大きくなることをしっかりと認識すべきです。


そして、

長期投資だからリスクが少ないとして、分散の少ないリスクの高い投資をするのではなく、リスクの少ない、分散効果が十分に期待できる投資をすべきです。




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若い人は高いリスクの投資ができる?


「若い人は、長期投資出来るから、リスクが高い投資をしても大丈夫、高齢者は長期投資できないからリスクを減らすように」とよくいわれます。

本当に、若い人はリスクが高い投資をしても構わないのでしょうか?


これまでみてきたように、

長期投資により、リスクが減るということはありません。


一般的に若い人には将来的に貯蓄ができる可能性がより高いため、その貯蓄が実現できれば、その貯蓄によりリスクをカバーできると思います。

ただし、貯蓄できない人がいくら若くてもリスクをカバーできません。


資産を増やすためには、貯蓄は最も重要なことですが、将来の貯蓄能力については不確実な要素も多いいため、年齢に関わらず、リスクをできるだけ少なくことをお勧めします。


具体的には、以前お話ししましたように、生活防衛資金を除いた運用資金のうち、非リスク資産を10〜20%保有することでリスクを軽減し、リスク資産については、インデックスファンドを活用した分散投資を行うことです。



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長期投資の効果


いくらか長期投資を否定するようにも読めなくもない書き方になりましたが、長期投資は否定しません。

むしろ、長期投資はお勧めです。


ローリスクではないといったことと矛盾するようですが、リスクを認識した上での投資であれはお勧めなのです。

長期投資のメリットとしては、まず、長期でみた場合の期待リターンが高いため、無理にリスクの高い投資をする必要がないことです。


以前、将来必要な金額から逆算し、期待リターンを無理に高く設定することは、リスクが高くなり過ぎるため、将来必要な金額にまで資産を増やすには、期待リターンではなく貯蓄を増やすことでギャップを解消すべきと書きました。

短期投資の場合は、無理にリスクの高い、期待リターンの高すぎる投資を選択しがちですが、長期投資は、高いリターンが期待できますので、投資先に無理に高いリターンを期待する必要が相対的に低くなります。

よって、その運用対象に対する期待リターンとリスクのバランスを現実的に考えて、期待リターンを試算しやすくなります。


このように、リスクをコントロールして、資産を増やすには、貯蓄を増やすことに加えて投資期間を長くすることがお勧めです

長期投資に伴うリスクに対しては、生活防衛資金を確保した上で、リスク資産と非リスク資産の比率をコントロールし、リスク資産への投資は十分な分散効果の期待できる投資をすることで、対処できると思います。


その他、短期投資では、一般的に資産売却時の税金や手続き時の手数料が高くなりがちです。

そのため、コスト面からみても、長期投資にはメリットがあります。


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次回は、分散投資を行うための、インデックスファンドの効果についてお話しします。


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