ガネーシャ@FPのお金をふやそうBlog

節約方法や資産運用などのお金をふやし方について、色々わかりやすく説明します。

時間分散によってリスクは軽減できるのか?

今回は、時間分散の効果についてお話しします。

ドルコスト平均法とは


時間を分散させることで、投資に対するリスクを下げることができるとよくいわれていますが、その効果、所謂時間分散効果については、懐疑的にみています。

時間分散の効果が発揮されやすいとして、広く勧められているドルコスト平均法を例にして、時間分散の効果について、みていきます。

ドルコスト平均法は、「特定の金融商品を、一定の間隔で、一定の金額ずつ買い付ける」という手法です。例えば、「ある投資信託を毎月1万円分ずつ購入していく」というような方法です。

ドルコスト平均法は、積立投資の一種ですが、毎月ある金融商品を一定数買い、そのときの価格によって投資金額が変わる方法とは異なり、毎月の購入金額を一定とし、そのときの金融商品の価格によって購入する数の方が変わるところが特徴です。

つまり、

金融商品を購入するタイミングを分散させることにより、高値づかみのリスクを減らそうという狙いです。



f:id:ganesa_fp:20180331231859j:plain

(出所)みずほ証券HP 投資信託つみたてサービス説明ページ


ドルコスト平均法、時間分散の効果


例えば、手元に1,200万円投資資金があったとして、それを一度で投資するか、毎月10万円ずつ10年間投資するかを比較します。比較を単純化するために同じ資産に投資したとします。

最初に投資した時よりも投資した資産の価格が下がり続ければ、最初に一度に投資した場合よりも、ドルコスト平均法の方が、割安に投資できるメリットがあります。

反対に資産の価格が上がっていく場合は、割高になってしまいます。

資産が下がる可能性と上がる可能性が同じだと仮定した場合、ドルコスト平均法の方がリスクが少ないとはいえる要素はありません。


長期的に他の資産よりも高い期待リターンが見込める株式市場に投資しようする一方で、長期的に価格が下がることを前提と考えることは合理的でなく、かつ機会損失になるリスクが高くなると思います。


更に、投資初期の段階での投資額が少なくなるため、その機会損失により期待リターンも少なくなり、デメリットです。


ドルコスト平均法は、価格が下がるリスクをヘッジするという考えかもしれませんが、機会損失により期間リターンを犠牲にしたものであり、より投資資産を分散させるか、非リスク資産を多くした方が、効果的にリスクを軽減できます。

また、ドルコスト平均法により投資した場合、投資額が一定額累積していくため、時間が経つほどリスクが高くなります。

その時には、

追加で購入する資産のリスクよりも、累積している資産のリスクへの対処の方が圧倒的に優先度が高くなるため、少しずつ投資する意味がなくなると考えられます。


それよりも、より投資資産を分散させるか、非リスク資産を多くすべきです。



f:id:ganesa_fp:20180331232300p:plain

積立に対する評価


このように、時間分散の効果については、ポジティブにはみれませんが、積立を行うことについては、貯蓄を計画的におこなうための有効な方法だと思います。

積立て、貯蓄しつつ、生活防衛資金と、非リスク資産を確保した上で、リスク資産に配分すると決めた資金については、十分に分散効果が働かせることを意識しながら、できるだけ長期間投資することをお勧めします。


f:id:ganesa_fp:20180331230907p:plain



長期投資の効果については、次回以降お話しします。


f:id:ganesa_fp:20180401235240p:plain